2024-4-18(進行/記録 AYSA西部部会会員 MYZ)
1.日 時:R6(2024).4.18(木) pm1:30~pm3:30
2.場 所:宇部市市民活動センター2階会議室
3.出席者:USI,ASD,KNK,KTM,SMI,TSM,HYS,MYZ,MYM(9名)
セミナー
テーマ:「この世界にスーパーインポーズされたアナザーワールド」について
~20世紀末から21世紀に入って、宇宙物理学や素粒子物理学の分野では従来のビッグバン宇宙論から、余剰次元の世界に向かって大きく急展開しています。最近の宇宙論を展望して、それが私たちの生死感とどう関わってくるのかを考えていきます~
講師:USI氏(AYSA西部部会会員)
概要
「物質の根源は何か」という問いに対する一つの答えは、2004年度ノーベル物理学賞受賞者のフランク ウィルチェック(アメリカの素粒子物理学者)が主張する「物質のすべては光」(早川書房 ISBN 978-4-15-209097-3(2009))なのかもしれません。一方で「素粒子はとじたひもと開いたひもとで表現でき、この世界はこの超ひも理論で解き明かされる」とする学説が展開されています。(例:リサ ランドール著「ワープする世界」日本放送協会 ISBN 978-4-14-081239-6 (2007))超ひも理論では重力は余剰次元の世界からも到達するとされており、今後重力波の研究やダークマター・ダークエネルギーの存在が実証されたら、余剰次元の世界観が現実となるのかもしれません。このような物理学・宇宙論の最先端について議論しました。
感想
33枚のPP資料をベースに「私たちの生きている世界を認識するための努力の歴史」、すなわち「宇宙の概念」の変遷を紐解いて説明して頂き理解を深めることが出来た。その中で、私たちは「4次元時空間」までは想定できるものの、「余剰次元時空間とはどのようなものか」となると中々、頭で理解するのは難しい。これから「宇宙に関わる」様々な研究が進められてくるのであろう。講師の言われる「超ひも理論」や「ブレインワールド」については今後の「宇宙論」の中で大きく展開していくことが想定されるとのこと。その「宇宙論者」は余剰次元上にある別の世界にも質量を持つ物質があると考えている。その世界が発する重力波は私達の世界でも観測できる可能性がある。このアナザーワールドからくる重力波はあまりにも小さく現在の技術では検出が困難なのかもしれないが、しかし、講師はこの世界の質量が重力波として私達の生きている世界に到達しているかもしれないと考えておられる。この世で愛する人を失い「会いたい、会いたい」と、あなたの感受性を研ぎ澄まして、私達の世界とアナザーワールドの世界とが交差するときに、ごくわずかな重力の信号を送るのを待ちましょうと。それが神仏の世界による生死観かもしれない。現在の世界を見渡せば、様々な難しい問題が起きてきている。気づかないうちに私達の日々の生活の中でこの「アナザーワールド」を感受する瞬間があるのかもしれない。今回のセミナー、これから私達が生きていく上に何か力強いメッセージを与えていただいた。講師に多謝。
※「文芸春秋」5月号 「地図を持たない旅人」大栗博司氏(第1回 夜空は何故暗いのか)と、タイミングよく連載が始まっていた。
今回の講話をお聞きして、改めて科学の花が咲くのには時間が掛かりますと。「宇宙」ということに「なぜ?なぜ?」と問いかけをしてみようと思った。