「二胡とハーモニカのリサイタル」で癒される

2024-11-30(AYSA西部部会会員 MYZ)

 11月28日(木)の宇部日報の記事「二胡とハーモニカ公演 30日(土)集估館」を偶然目にした。その時は特に意識はしなかったが、土曜日の早朝、私は午後からの予定がなかったので妻に「この公演を聴きに行く?」、妻から「是非聴きに行きたい!」と、そこで午前中のルーティンを早々に済ませ、正午過ぎにいそいそと「馬場良治集估館」に出かけた。私は「馬場良治集估館」へ馬場良治の作品を鑑賞するために何度か行ったことがあった。そしてイベント等の機会があれば常々行きたいと思っていたので、今回は偶然にもその記事からそのチャンスが訪れた。それこそシンクロニシティなのではないか?

 ところで、今回のリサイタルは「中華二胡揚琴教室」の主催とある。来場者は40人程度であろうか?やはりシニア層が中心で大半は女性であった。

 さて、プログラムは第1部、第2部とあり、スタートは「アルぺジョーネソナタD.821」(シューベルト)ピアノとハーモニカの合奏、そしてサン・サーンスの「白鳥」と続いた。これらの曲はピアノとバイオリンとの合奏は聞きなれているがハーモニカとの合奏は初めてである。そのハーモニカは「クロマチック・ハーモニカ」と言われ、ピアノでいう黒鍵の音(♯半音上げるや♭半音下げる)といった派生音も出すことが出来る楽器とのこと、今回の2曲もバイオリンとは違って十分に心地よい響きが耳元に届いてきた。

 3曲目から二胡と揚琴(中国語でヤンチン)とで滝廉太郎の「荒城の月」を合奏した。二胡はよく耳にする楽器だったが、揚琴の音色は初めてのような気がする。これは中国伝統の楽器で扇状の本体の上に張られた約150本の弦を細い竹のステックを使って演奏している。日本の琴に比し音域が広く、音色は哀愁を佩びた余韻の残る奏で、より心に響くような気がした。

 第2部では中国の曲「賽馬」(ファン・ハイファイ作曲)、日本のアニメやテレビドラマのテーマ音楽から「風の住む街」(磯村由紀子)「JIN―仁―メインテーマ」(高見優)、「風笛~あすかのテーマ」(大島ミチル)、次の「ニュー・シネマ・パラダイス」(エンリオ・モリコーネ)、「チャルダッシュ」(ウィットーリオ・モンティ)は二胡とハーモニカの合奏で、最後はアストル・ピアソラの「リベルタンゴ」を二胡、ハーモニカ、揚琴の合奏で会場全体を最高潮に盛り上げてくれた。アンコールは讃美歌312番「いつくしきみ深き」を皆で合唱して終了した。今回、初めての中国の伝統的な楽器によるリサイタル演奏を聴き、充分に私の心を豊かにしてくれるものだった。

 入場料はそんな安い値段ではなかったが、妻と「素晴らしい音色のリサイタルだったね。おもいきって来てよかった」と会話しつつ帰宅の途についた。(完)

≪演奏者全員写真≫

左から
●二胡奏者:ジャンタオさん(総合司会)
●クロマチック・ハーモニカ奏者:チョウサクさん 

右から
●ピアノ奏者:原田礼子さん ●揚琴奏者:シーウエンさん

※演奏者の皆さんは来日して20年近く滞在されており、総合司会のジャンタオさんを含めて流暢な日本語を使い、演奏の合間にはウイットに富んだお話しもでて、会場を盛り上げていた。

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