2023-10-10 (AYSA西部部会会員 MYZ)
宇部市立図書館主催の小川仁志先生による「哲学カフェ」が同館で開催され、久しぶりに参加した。今回のテ ーマは「老いとは何か?」である。参加人数は50名で締め切りとのこと、私は、このテーマに興味があったので早めの申し込みをした。当日の参加者はやはりおしなべて高齢者が多かった。
ところで、「哲学カフェ」とは、改めてネット検索してみると、この「全員参加・対話型」の会合はサブカルチャーとして様々な地域団体が導入し、開催していることが分かる。このような会合でも一定の「ルール」を守りながら参加者との対話を進めていくことが大事であると。まず、「何を言ってもいい(常識を疑い、普通を疑い、自分の重たい鎧を脱ぎ捨てる)が、人の人格を否定しない」、そして「難しい言葉を使わないで、経験から生まれる言葉を使う」、「何かを決めるためではないので、全員共通の結論があるかどうかは重要視しない・・・そのプロセスを楽しむ気持ちを大事にする」、「一定の考えや思想を他の参加者に強要しない(自由に考えを広げて深める場として、個人の自由を尊重する)ようにする」等があると言われている。このような会合の進め方も進行役の役割は重要である。
この度の「哲学カフェ」の進行役は、小川先生である。小川先生は、山口大学国際総合科学部の教授で、NHK・E テレ「世界の哲学者に人生相談」や「ロッチと子羊」では、指南役を務めるなど、各種メデイアにて哲学の普及にも努めているとのこと。最近ではTYSのコメンテーターも務めている。
まず、進行役の先生からこの「哲学カフェ」を進めるにあたっての基本的なルールの説明があり、テーマについて対話型でスタートする。
「人は必ず老いを感じる時が来ます。まず、皆さんの中で今の年齢で老いを感じている人、老いを感じていない人。手を挙げていただけますか」と、参加者の中で約9割近くが老いを感じている方に手を挙げたが、数人が老いを感じていないとのことで、進行役から、老いを感じていない数人から発言をしたい人に、「素晴らしいですね。老いを感じていないと。あなたは、どうして老いを感じていないと思いますか?」すると、彼は、「肉体的な機能の衰えはあるが、それまでの人生経験をベースにした生き方は衰えていないと感じる」とのこと。進行役はそれを受けて「人生経験の重みをメリットとして感じておられるのですね」と。一方老いを感じている中で、私も、勇気を持って発言をした。「肉体的な機能の衰えについては、もちろんではあるが、私が老いを感じるのは、やはり若い頃の冒険心がなくなってきたことにある」と。進行役は、「そうですね。大事なポイントですね。では、皆さん、老いを感じるのは何歳ごろだったと思いますか?」「75歳ごろだったような気がします」進行役はそれを受けて「やはり、社会の制度、例えば、後期高齢者の始まる年齢が75歳、世間がそう感じさせているのかもしれませんね」と。対話が続く中で、進行役は「老いることの利点」について話を進め、老いの利点として3つを上げた。一つは「思慮が深まる」二つ目に「成熟し、進化する」三つめが「これまでやってきたこと(物事)を適度に直し、これからは社会貢献に進むこともできる」と。「アンチエイジング」の話題もでた。これについては、「自然のままに」とか「努力すべきだ」とか、様々な考えがあった。私は、「様々な出会い、こうして先生とこのようなお話ができることで、その人の人生の意味が形成されてくると思う」と。進行役から「いいお話しですね!今日を生きる。今を生きる。それでいいのではないかと?」、最後に「老いとは、物事に感嘆することにある」と。
この会合の制限時間、1時間半があっという間に過ぎた。私としては、自分の考えを素直に話す、自分の話を聞いてもらえる。ここに「哲学カフェ」に皆さんが参加する意義があるのだろうと思う。私は、満足感一杯でこの図書館を後にした。
追記として、この会合に、96歳の女性の方が参加されておられ、元気な張りのある声で発言されていた。いろんな人生経験を積まれてこられたのであろう。「70歳代なんてまだ子供ですよ!」と。自然と皆さんから拍手が湧き上がった。帰り際に、その方に「元気の秘訣はなにですか?」と聞いたら「まず腸を元気に保つことですね」と返事が返ってきた。私は、生来あまり腸が丈夫な方ではなかったが、「やはりそうか!」と。最近比較的調子のよい腸の調子をこのまま維持していこうと思った。(完)
KNKさんへ
私がコメントした後に、KNKさんの2度目のコメントを拝見しましたので、そのことには触れませんでしたが、私は「物事に感嘆する!」ことは、今の年齢になってより多くなりました。それは、やはり、今までの私の人生経験の中から未経験の出来事を見たときにるものでしょう。例えば、今のスポーツ界のアスリートの活躍、昨日では藤井君の8冠達成。相手の永瀬8段が有利な展開からある1手(最後に詰め切れなかった)で、藤井君が大逆転して勝利したのです。その場面を丁度、TVで見ていました。藤井君は比較冷静でしたが、永瀬君の悔しい思いがTVの画面から通じて垣間見えました。私は、その場面をみて涙しました。老いると、そのような場面を見ると段々と涙もろくなり、そのことが「物事に感嘆すること」なのではないでしょうか?ほかにもいろいろありますと思います。(MYZ)
私にはその過去を振り返るというその過去の内容が余りない気がします。余程充実した過去を過ごされたのだろうと思います。だから残り時間を何とか充実させたいと感じています。自分の人生は何だったんだろう思わない為に。
それと、歳とって感動する事があるという事は素晴らしい感性をされています。たまに若い人に人気のある事柄に注目してみると、中々面白いという事もあります。それは心がけて行こうと思っています。
耳鳴りは気にすれば益々気になる、誰にでもある生理的な物である可能性もあります。私も集中すればシーンという音がいつも鳴っています。
KNKさんコメント有難うございます。私は、「老いるとは何か?」と聞かれたら、自分の「人生の意味」を知ることだと答えるでしょう。それまで、フル回転で働いてきた自分の人生を振り返ることに与えられた期間ではないのかと思います。四季でいえば「秋」の到来。初秋は、「晩夏」でやり残したことを片付ける。それは、やはり「自分自身への振り返り」であろう。初秋での様々な新しいジャンルを通じた「読書」が楽しい。これが、「老いが始まる」時の最大のメリットであろう。一方で、この「人生経験」を若者に伝授することが叫ばれているが、私の経験からすれば、若者への「経験の押しつけ」は、受け入れられないだろう。それだけ時代の変化は早く、より厳しいものになっていると想像する。私たちの「人生経験」は、若者の背中を一歩押してあげる、ヒントを教えてあげる、ぐらいだろう。後は、若者たちの力で解決していくしか方法がないと思う。「晩秋」は、そろそろ「冬支度」という事だろうか。今から迎えるかもしれない「厳冬?」を如何に楽しく入れるか?
ところで、KNKさんは、カルピスのガゼリ菌サプリ「ココカラケア」を飲んでおられるとか。私は、日清の「ピルクル ミラクルケア」を毎晩、寝る前に飲んでいます。腸の調子はいいようです。でも、75歳過ぎから「耳鳴り」がひどくなり、中々寝付けない時があります。いつも、耳鳴りがする方の左耳にイヤホンをして音楽を聴きながら耳鳴りを抑え眠るようにしています。どなたか、「耳鳴り」解消方法をご存じの方はアドバイスを頂きたいのですが?補聴器をして入れは、耳鳴りはかなり和らぎます。 「老い」による機能の衰えは仕方がないにしてもできるだけ、不快指数を減らして生活していきたいものです。(MYZ)
もう一つ、老いとは物事に感嘆する事とありますが、これは随分逆説的です。
歳取ると、物事に感激しなくなると感じているのですが、それをそうならない様努める事が、極意という意味でしょうか?
MYZさん、今回はかなり充実感を感じられた会合だった様ですね。
哲学というと、若い時から嫌悪感・恐怖感があり未だに知識•読書経験がない。実は今私はAIについて分かりやすく解説した本を読んでいるが中々進まない。しかしAIを理解する上で哲学的な考察は不可欠になって来るのではないかと感じる。
また私自身の老化と言えば、実は今の所余り感じてはいない。とは言え、人並みの経験をしていない事からくる不安は人並み以上にある。老後の為に人間関係を作る、体力の維持、知的能力の維持向上などを常に意識している。
大腸の重要性は最近の知見ですね。まさに第二の脳という程体を支配しているとの事。便通は言うまでもなく、歯周病からの悪玉菌関連の影響など。
私は最近、カルピスのガセリ箘サプリ「ココカラケア」を飲んで、随分良く眠れる様になった事が何よりの証拠と言えるかも知れない。