2024-5-5(AYSA西部部会会員 MYZ)
妻が突然この連休中に「くるま海老を食べに行かない?」と聞いてきた。私は「いいね!」と、「それでいつにする?」妻から「4日のみどりの日にしょうよう」と。私達はくるま海老と言えば海眺の宿「あいお荘」と決めている。その日は連休中の混雑が予想されるので、少し早めに自宅を出てランチの予約を取った。それでもやはり1時間待ちの状態であった。私達は初夏の柔らかい日差しに「キラキラ」と反射する穏やかな瀬戸内の海を眺めながら待ち時間をゆったりとした気分で過ごした。ほぼ1時間すると瀬戸内の海が一望できる食堂に案内され、くるま海老の天ぷら定食を注文した。くるま海老を食するのは何年振りかな?妻は「この場所に来たのはコロナ禍の数年前だから6年振りかしら?」と。タルタルソースがたっぷりと添えてある。やはり久し振りに食するのか美味だった。その後、私は温泉につかり露天風呂から周防灘を眺めながら癒しのひと時を味わった。
ところで、「くるま海老」と言えば、この周防灘を中心とした瀬戸内界隈では養殖(くるま海老の養殖は難しいと聞く))が盛んである。お歳暮の贈答品としてもよく使われている。私たちがまだ埼玉に住んでいるころは、お宮(南方八幡宮の宮司)からお歳暮としてこのくるま海老を送って頂いていた。何年ぐらい続いたのだろうか?それはおがくずで箱詰めされた24匹の生きたくるま海老である。おがくずから生きたくるま海老を取り出しその日の夕食のお刺身に調理するまでは私の役目であった。跳ね上がる海老を盥に取り出しすぐに氷水で冷やしながら水洗いをした。お刺身は8匹ぐらいしただろうか?頭を落としてから殻をむき、背中にそって包丁で切れ目を入れて背ワタを取り除く。ぴくぴく動いている。「踊り食い」と言われるだけあって少し残酷かもしれないと思いつつも醤油とワサビをつけて食す。なんとも言えない生ならではの甘くてねっとりとした格別な味わいのほうが勝るのである。切り落とした頭は塩焼きにしてビールのつまみにする。残りの数十匹は妻が塩焼きにしたり酒蒸しにしたり、又お正月用にと冷凍にしたりして美味しく食した。私たちが宇部にUターンしてからは、長男の嫁の実家や娘の婿の実家に年末の贈答用としてお送りしたことがあるが、今は、お互いの贈答は止めることにし「くるま海老」との縁は切れた。
さて、秋穂の中道海水浴場では「くるま海老素手取り世界選手権大会」が毎年8月に開催されているようである。大勢の参加者が遠瀬の浜で競い合ってか取っている様子をテレビでも放映しているが、このくるま海老の人気のなせる業だろう。これも一つの観光資源なのかもしれない。
今回、くるま海老を妻と食し、帰路の車の中で、「こんなこともあったね」「あんなこともあったね」と思い出しながら帰宅した。心地よい疲れだった。(完)