2024-9-14(AYSA西部部会会員 MYZ)
約2年前に「ラーゲリより愛をこめて」(2022.12.14にHPへ投稿)以来の映画鑑賞である。実を言うと、これまで妻から「いい映画が来ているから一緒に行かない?」と何度か誘われていたが、私は生返事のままでやり過ごしていたら、妻から「映画を見ることがそんなに嫌いなの?」とやり返された。私は「嫌いではないが、私の心を憂さぶるような映画だったら一緒にいこうよ」と返事をしていた。
早速、妻から今月13日封切の「スオミの話をしよう」を観に行かないと誘われた。この映画は三谷幸喜が脚本から監督として手掛けたコミカル・ミステリーの新作映画らしい。TVのいろいろな番組でも彼や主演者(長澤まさみ)が出演しこの映画の「面白さ」を盛んにPRしていた。しかも9月13日付けの宇部日報にもシネマスクエア「新作案内」でも紹介されおり、たまたまその記事を読んで演じる俳優の陣容が面白そうだったので、私は妻と一緒に鑑賞することにした。
三谷幸喜は、脚本家、演出家、映画監督として数々のヒット作を生み出しているようだ。NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」も三谷作品として好評を得ていた。
今回のキャスチングは、「鎌倉殿の13人」で出演していた数人の俳優が独自の味を出して演じている。この物語の中心にいるのは様々経歴をもつ男性(5人)に愛されるミステリアスな女性「スオミ」(長澤まさみ)である。
ストリーは豪邸に暮らす詩人・寒川(坂東彌十郎)の新妻である「スオミ」の行方不明から始まる。その行方不明に絡んで過去に「スオミ」を愛した男性たちがその豪邸に順次に集まり、誰が一番「スオミ」を愛していたのか、愛されていたのか。5人の男性との触れ合いに、その男性の好みに合わせた妻の役を「スオミ」(長澤まさみ)が演じる。男性を演じるのは、西島秀俊、松坂桃李、遠藤憲一、林隆、坂東彌十郎 と、それぞれに一癖もあり、それぞれの役どころを得た演技合戦をしている。この男性たちの掛け合いが中々面白い。
一方主人公「スオミ」を演じる長澤まさみのチャイナドレスやワンピース、パンツスタイル、セーラー服などの異なるファッションを着こなし、5人の男性に合わせた人物像の「スオミ」を見事に演じ分けていた。
何故、「スオミ」は失踪したのか?5人のうちだれを一番愛していたのか?彼女の弁護士(宮沢エマ)が登場し男性5人を前に最終通告をする。最後は出演者全員が歌って、踊るミュウジカルの演出で幕を閉じた。三谷作品の真骨頂を垣間見たような気がした。鑑賞後、「鎌倉殿の13人」で源頼朝を演じた大泉洋が出演していたらもう少し違ってこの映画が味わえたかもしれないと、ふと思った。
ここでは、物語の詳細を語るのは止めにし、皆さんがこの映画を鑑賞されることでこの映画の好さを味わってい頂くことにしよう。
私は主人公やその愛に対する男性たちの演技に余韻を残しつつこのシアターを後にした。(完)