台湾旅日記

2024-6-3(AYSA西部部会会員 MRN)

1.はじめに

  今年2月に齢80歳を迎えた。いずれ終焉を迎えることは避けられないが、果たしてそれがいつなのかは誰にも分からない。そこで自分なりにわが寿命は(90±5)歳ということにして、元気なうちにこれまでやり残してきたことを少しでも済ませておこうと心に決め今日に至っている。 今回の台湾旅行もその一つであり、懸案が一つ片付いたのでここにその概要を報告します。(嘗て国際交流活動で台湾高雄へ愛媛クラブと合同渡航することになっていたが、直前になって山口クラブの都合が悪くなり辞退したことがありました)

(今回の旅行には阪急旅行社の3泊4日のパックツアーを利用しました)

旅程 5月17日 福岡空港発、台北着、日月潭、宿泊(台中 西悠飯店)

   5月18日 台中、屏東、高雄、宿泊(高雄 真愛館)

   5月19日 高雄、台中(新幹線)台北、十分、九份、宿泊(台北 圓山大飯店)

   5月20日 台北、故宮博物院、台北発、福岡空港着

2.台湾に関する事前の俄か勉強

・首都・・・台北

・政体・・・民主共和国

・元首・・・今年5月20日より民進党 頼 総統

・面積・・・九州とほぼ同じ(36千k㎡)    

・人口・・・23百万人

・時差・・・-1時間 vs 日本時間

・人種・・・漢民族98%(本省人、外省人)、原住民族2%

・歴史・・・オランダ統治、鄭成功(ていせいこう)氏・清朝による統治、日本統治、蒋介石統治

・通貨・・・元(1元=5円 円安の真っただ中)

・その他・・“親日”者多数、玉山(ニイタカヤマ)、4代総督(児玉源太郎)

      電力事情(火力83.4%. 原子力9.6%  再生可能エネ6.0%  水力1.1%)

3.Itenary

① 5月17日(金)曇り

・自宅発6:15am、新山口駅近くの駐車場利用、新幹線、博多駅から国際空港行きバス、福岡発10:55、台北着12:30、旅の仲間18名(山口4、長崎4、福岡9、札幌1)

・日月潭観光

 日月潭湖畔…台湾を代表する景勝地、日本統治時代に水力発電所を建設、蒋介石故郷の西湖を偲びこの地を好んだ由

 文武廟…儒教と仏教と神道が混じっているような感じの廟

・台中泊 西悠飯店 風呂はシャワーのみ、トイレに洗浄ノズルなし、使用済紙流せず)

② 5月18日(土)曇り

・台中市内観光 宝覚寺(日本人が日本戦没軍人慰霊のために建てた禅寺)

・屏東観光 過去と現代の生活様式が混在する勝利星村のV.I.P. Zoneを見学・散策
 ここは日本統治時代の軍人家族の住居跡に日本撤退後、蒋介石軍家族が居住

・高雄郊外観光 旧鉄橋空中歩道散策

・高雄市内観光 蓮池潭

・海鮮中華料理の夕食の後、愛河 Night Cruising、河風と川面の光が爽やかだった

・高雄泊 高雄真愛館 風呂に浴槽、トイレには洗浄ノズルがありひと安堵

③ 5月19日(日)曇り

・高雄発、バスにて台南を経て台中駅へと北進

・台湾新幹線(普通車・指定席)台湾風駅弁、車両は旧モデルなるも日本の鉄道技術が採用されており、ある種の誇りを感じた。「こだま」に乗っているという感じ

・十分観光 炭鉱町だった由 天燈上げ体験す ランタンに「二病息災」と筆書きした

・九份観光 金山だった由 急傾斜の山腹に敷設された石段、狭い路地、レンガ塀、提灯飾りなどレトロな雰囲気があふれていた。 夕食 九戸茶語にて郷土料理を味わう

・台北泊 圓山大飯店 蒋介石が日本統治時代の台湾神社を一掃して建設した。台湾が世界に誇るホテルというだけあって中国宮殿式の豪華名門ホテルだった 5つ星。
施設、食事等豪華そのものだった。

④ 5月20日(月)曇り

・台北市内観光 故宮博物院(約90分)

中国4000年の歴史をつまびらかにする約70万点の文物を貯蔵する。

蒋介石が毛沢東との内戦に敗れ台湾に退去するに際し「国の将たるものは王室伝統の遺産を守る責務がある」との信念のもとに持参した由 

3階展示zone ・・・二大名宝「肉形石」、「翠玉白菜」(レプリカ)を見学する。
余りにも小さいのに驚く。これらの文物は最高権力の地位にある皇帝とはいえ自由行動がままならぬ孤独な日常のため“せめてもの慰めもの=玩具”としてつくられた由。翠玉白菜は皇帝に嫁いだ後宮の一人の父が、娘の幸せを願って送ったプレゼントの由(白菜には多産を意味する昆虫が2匹ついている)     

・昼食 金品茶楼 小籠包食べ放題
ここの小籠包(食べ放題)と炒飯は、滞在中で一番美味しく感じた

・台北発 16:40

・福岡空港着 20:00

・新幹線にて帰山、駐車しておいた車で帰宅 我が家到着22:00

4.結び

楽しい学ぶことの多い4日間でした。気づき・感想などは以下の通りです。

・旅の仲間18名同士の心のふれあい

ツアーガイドの計らいで毎夕食ごとにメンバー18名を2つグループに分け2つののテーブルに座り相互紹介ができ、日に日に打ち解けた仲間となった。

・ツアーガイドの気さくで陽気な人柄

女性、独身、50才の陽気で気さくな人柄で、時々、自虐ネタを交えながら、我々旅行者を寛いだ気分にさせてくれた。台湾のみならず日本の地理や歴史をよく勉強しており、本には書かれていない、とっておきの話も出て有難かった。

訪日経験のも4、5回あるとのこと。自分自身がツアーガイドを楽しんでいる様子が何よりよかった。

・日本帝国統治時代の遺跡・足跡

随所に日本帝国統治時代の遺跡が散在していた。台湾は日本にとって初めての戦争で得た植民地であり、アジア侵攻の兵站基地として位置づけ精力をつぎ込んでいたことを窺い知ることが出来た。

・台湾人が親日といわれている背景

日本が台湾に対して行ってきたインフラ整備(学校、病院、道路、港湾、発電所)教育、農業技術改良などが、結果として台湾の近代化につながったこと、さらには日本が敗戦により台湾を撤退した後、代わって入植してきた蒋介石国民党の横暴な振舞いが余りにも酷かったことが影響しているといえよう。

・5月20日について(ちょうど我々の旅行の最終日だった)

この日は民進党 頼新総統の就任式の日だった。我々は旅行中のため式の動きは分かり得なかったため帰宅後、どのような就任演説をしたのか、台湾人の反応はどうだったのか大いに関心をもってTVニュースをみた。

台湾人にとって、“自由”がいかに大事かはよく伝わってきた。ただし中国に対し名指しで異を唱えたことは、あまり得策とは言えないように感じられた。

以 上

台湾旅日記」への4件のフィードバック

  1. mrn 投稿者返信

    MYZさん いつもご丁寧にコメントありがとうございます。個別のメイルでは返信したのですが参考までに、再度繰り返すことにします。旅をして思うことは、内に籠って「ああでもない、こうでもない」と逡巡しているよりは、思い切って外へ出てみることの方がはるかに勝るということですね。得られる情報、知見は、量的にも質的にも格段に違うし、台湾が自分にとって身近な親しみの持てる「国?」になりました。
     蛇足ながら、通貨のことに触れておられましたが、現在、中国1元=22円、台湾1元=5円 (水1ボトルが
    20元・・・100円です)でいずれも円安です。(いま日本人には海外旅行の時期ではないですね)
     MRN拝

  2. usi 返信

    MRNさん 奥様との台湾旅行を楽しんで来られて良かったですね。奥様孝行、適当な間隔で実現することが大切であると、切実に感じました。
    さて、台湾旅行の質問が1件:旅行の途中で、バスガイドがビンロウ(檳榔)娘 (英語でBinro-girl) について何かコメントがありませんでしたか?私は現役時代に台北から少し南の新竹(シンチー)にあるITRI(日本の産総研と同じような研究組織)と色素増感型燃料電池の研究交流を行っていました。何度か台湾でセミナーを行いましたが、毎回台北の桃園国際空港に車で迎えに来てもらい、途中で高速を降りると地方の道を走っていました。台湾にもコンビニのような店が道路沿いにあるのですが、店の前にビンロウ(檳榔)娘と称する下着姿の若い娘が客寄せをしています。ビキニでなくて、下着ですから日本では公序良俗に反するとして摘発されるかもしれませんが、まったくおおらかなものです。運転手は檳榔娘が出ているとスローダウンして何か買い物はありませんかとか、Uターンしましょうかと聞いてくるのですがそこまで近くで見るべきものではないので、毎回ご辞退していました。ディープな台湾旅行の想い出です。(USI)

    • mrn 投稿者返信

       USIさん コメントありがとうございます。お尋ねのビンロウ娘のことについてガイドさんからは何の話もありませんでした。同行者18名のうち7割は女性でしたので、そのためにその話を出さなかったのか、ある
            いは阪急が、もともとその様な処を通るように企画していないのかもしれませんね。だいぶ前にSingapore へ行った時には似たような話がありました。

  3. myz 返信

    MRNさん 「元気なうちにやり残したことを少しでも済ませておこうと心に決めた」とのこと。中々出来ることではありません。その一つ3泊4日の「台湾旅日記」、興味深く読ませて頂きました。事前に台湾について調査し、現地で肌でそれを感じる。いいですね!台湾有事が囁かれている中、彼らなりに生活の活力を得ているのでしょう。1元が5円ですか?随分と円高ですね。中国本土では1元が22円程度で、十数年前は1元15円ぐらいだったと思っていたのですが、台湾元と中国元とはレートが違うのですね。その意味からしたら台湾は絶好の観光地かもしれません。感想に書いておっれましたが、ツアーガイドによる同行者の仲間とのふれあい、これがツアー旅行の醍醐味なのでしょう。現在の台湾の諸事情(観光地も含め)よく理解できました。(MYZ) 

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