2024-7-5(AYSA西部部会会員 KNK)
先日AYSA西部部会の総会で全員で俳句を披露する催しがあった。実は事務局からのアイデアで事前に会員各自俳句を三句作らなければならなくなった。殆どが理科系の方が多いのでなかなか大変だったのでは。
俳句も認知症予防になる?
私自身は若い頃から俳句はおろか文学には全く関心がなくそのようなたぐいは無視してきた。恐らく俳句を作ったのは小学校の授業以来だ。
ただ今回は折角なので俳句を作って見ようと思った。というのは、俳句は高齢者の認知症予防にも良いと聞いていたからである。
確かに「あーでもないこーでもない」と俳句の語句を推敲している時や季語を選んでいる時、これは英語を読解しようとしている時の脳の動きに似ている感じがした。因に私は現在懸命に(私なりに)英語の洋書をなるべく辞書を引かず読み進んでいて、外国語読解には推測が非常に重要だと体感している。またデザインや絵の構図などをあれこれ頭の中でいじっている様子にも似ている。頭脳に悪い筈がない。この点、気軽に作れる川柳よりも俳句の方がお薦めかも。
また英語は私はまだインプット中心で、日常でこの目の前の状況を英語ならどう言うのかを考えるのが発話の練習になるが、同じく日常で俳句のネタを常に探している状況も似たものを感じる。恐らくは同じような脳の働きがあるのだろう。これは生活の楽しみになりうる。
体験以外でも何を書いても良い?
それはさて置き、いざ俳句を作ろうと思うとどう作ろうかと悩む。今迄作らなかったのは自分には文学的な才能がないと思っていたからだが、ふと季語を使いさえすれば、何を書いても良いのではと気付いた。これなら随分気が楽になる。私は無精者でかつあまり外には出ない。材料になるような実体験は殆どない。ただテレビで見た事や考えた事、想像など何でも良ければ随分気が楽になる。しかし俳句には少しのルールがある。そのルールをまず知ろうと思った。
「プレバト」というテレビ番組
普段は俳句番組では唯一テレビの「プレバト」という番組を良く見る。芸能人が俳句や絵画などの作品を披露する番組で、プロ並の才能を発揮する人達が多いのにも驚く。日本人は何とも器用だなあと感心する。その俳句コーナーではプロっぽい俳句を作る人が多い。指導者は夏井いつき先生という小気味の良い女の先生で、うまい芸能人が多いのは指導が良いからだろうか。新聞などの投稿で良く見るのは大変失礼だがいかにもという感じの俳句が多い。どうせ作るなら少しでも飛び抜けたものを作りたい。
手始めにまずネットで調べて見た。夏井先生のサイトもあった。そこは見ずに季語のサイト(歳時記)で季語を調べて見た。まずはこれがあれば何とかなりそうだ。数少ない私の体験をもとにして何とか三句絞り出した。
私が考えた、俳句を作る時の疑問・ポイント
俳句を作るにあたり少し技術的な疑問点がある。ルールでタブーとされている事の内容がよく分からない。
●私なりに考えた俳句のポイントとは…
内容は(体験以外でも)何でも自由。 自由な内容と季語との組み合わせで生じる相乗的な世界。 状況の説明はしない。 五七五にできるだけ収める(句またがり、字余りの疑問)。 擬人化は良くない。 リズミカルでない散文的な表現は良くない。 五感を表現すると良い。 漢字の読みは作者が決める。 などなど。
いずれもはっきりとした定義のようなものは無いような気がした。何でもそうだが、要は優れた作品を沢山見て味わえば分かってくるという事なのだろう。
「俳句」の本を買った
この機会にまた本を買って読んでみた。
●夏井いつきの世界一わかりやすい俳句の授業 夏井いつき PHP研究所 1,650円
初心者向けの内容であっという間に読める。意外と知らないが必要な最低限の知識が身に付く。俳句を作って見ようかなと思える。
この本に書いてあった事で、俳句は縦書きで間を詰めて表示(サイトで縦表示は中々大変)。できればまず「俳号」を作れば誰が作ったかが分かる。とのこと。
●20週俳句入門 藤田湘子 角川ソフィア文庫 990円
またこの本の新版は夏井先生のお薦めで、私はまだ買っていない。この新版は売り切れのようで、取りあえず新版でなくとも構わないのではないか、という事で旧版をご紹介。こちらは手ごろな価格である。
俳句は続く
AYSA西部部会のこの試みはこれからも続きそうで、果たして継続的にまともな俳句を作る事ができるか。楽しみでもあり心配でもある。
今回は誰も俳句の善し悪しを判断できるメンバーはいなかった。自己満足でも全く構わないとは思うが、やはり一家言ある俳句の指導者がいらっしゃればとも思う。
《著作権情報》
●夏井いつきの世界一わかりやすい俳句の授業 夏井いつき PHP研究所
2018年8月1日 第1版第1刷発行
2024年5月9日 第1版第23刷発行
著者 夏井いつき
発行者 永田貴之
発行所 株式会社PHP研究所
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ISBN978-4-569-84096-3