2022-12-14
EMT(AYSA西部部会会員)
見本がない高齢社会
第三の人生には見本がない。自分で考えるしかない。
病院の医師にいても高齢者に対するのは初めての経験であり、手探りのはずである。今までの経験の延長線上に考えるしかないはずである。
超高齢者は各人の肉体的・精神的状態が大きく異なるのが特徴だろう。
したがって対応は各人により大きく異なるはずである。
自分で自分の健康状態を把握し、その上に医師の指導を受けることになろう。
医師にしても高齢者の医療経験はない。今までの経験上の延長で考えているはずである。
これはやむを得ない事であるり、大きな間違いはない。
しかしながら高齢者特有の医療については未経験である。
動物的感覚を取り戻すというか、研ぎ澄ます必要がある。例えば食物の消費期限を見なくても、食べてよいか悪いかが判断できることが求められる。
1.みんなと一緒に何かをすることが難しくなる。ついていけなくなる。
2.PC等の扱いも面倒になる。さらに進むとできなくなる。
3.同じ歳でも、AさんとBさんでは大きく異なる。
4.健康に日ごろから留意し、医師の言う事も鶏呑みにしない。
5.孤独を楽しむことである。
6.ポツンと一軒家の生活が理想かもしれない。方丈記の鴨長明か。
7.森の生活、庭の仕事を楽しむ。八ヶ岳の柳生博。
8.自然に包まれた、自然に抱かれた生活が望ましい。
9.医師のお世話にならないよう、健康第一に留意する。
10.食事が極めて重要である。よく考えること。
11.読書が苦になる。これは大変な事である。
12.聴力が衰える。耳鼻科医によると打つ手はないようだ。ニュースは理解できるが、ドラマの会話が分からない。
13.同じ本を楽しむようになるのか?(公文書に「?」の使用が認められた)
14.読書もいずれ苦になる。ホームシアターを楽しむことにしよう。字幕が頼りになる。邦画も字幕を入れてほしいものだ。
15.自分より高齢の著者の本を読む事になる。
16.出来ていたことが出来なくなるが、余り逆らわない事である。
17.
樹木の生長
草花の成長は早い。パッと芽を出し、しばらくすると花を咲かせて、一週間もすると散っていく。
多年草でなければこれで終わりである。花の一生は短い。同じ植物でも樹木の寿命は長い。数百年は当たり前である。いや屋久杉などを見ると数千年かもしれない。動物の寿命は成長期の5倍と言われているが、植物の場合はどうだろうか。
動物の寿命と同様に植物の寿命も成長期の5倍かもしれない。
動物は体の大きさと寿命との間に相関関係があるという。体の大きいほど寿命が長い。象に比べてネズミは短命である。um (10のマイナス 6乗) クラスの細菌の寿命は特殊な条件下でないと生存できないだろう。さらにmm(10のマイナス9乗) クラスのウイルスでは生物か無生物かと区別がつきにくく生命があやふやである。
寿命を考えるとき人間は特別であり、脳の発達による医学の知識、技術によって寿命を伸ばしているという。不老長寿はないとしても、老化のメカニズムを研究するとか、老化物質を見つけたとか、それを改善する薬があるとかないとか、研究されているようである。
人間の寿命は120歳と言う説もあるようだが、これは成長期の6倍となる。おそらく医学の進歩による長寿化を期待したものだろう。
80歳を過ぎると身体の体力低下を、身をもって自覚するようになる。この事は恐らく精神にも影響する。弱気になるというか、消極的になるというか、とにかく一歩引いた気分である。
こんな事ではいけない。そこで今取り組んでいるのが「庭仕事」である。切っ掛けは次の書籍による。「庭仕事の神髄」(The Well Gardened Mind) スー・スチュアート・スミス著 和田左規子訳 筑摩書館 3,200円
著者は英国の著名な精神科医、心理療法士である。
人間の脳は自然の世界の中で進化してきた。自然に接すると、鎮静作用と活性化作用の両方が同時に得られる。また木や緑に守られている事を実感する。庭仕事は終わらせることが重要ではなく、没頭すること(フロー状態)が大切なのだ。ガーデニングは「今」に生きる力を引き出してくれる、と言う。テレビで「ポツンと一家」と言う番組があった。あれは森に囲まれ守られている安心感があるから、一人で生活できるのだろう。
会員EMTさんにお願いして、今年の「雑考雑筆」を14筆読ませて頂いた。投稿されているこの2筆は、シニア会員の高齢化に伴う今後の「生き方」や「生き甲斐創り」を示唆しているとの思いです。他の12筆のお題は、「歩道橋」「第三の人生以降」「QOL」「プラス思考で日本を考える」「異なる能力」「80歳の壁」「人生100年時代」「庭師の仕事」「運命」「3S」「米国の高速鉄道計画」「観光立国」である。私は、EMTさんとは、この会を通じていろんなジャンルを教えて頂いた。特に、私が70歳ですべての仕事をリタィアし(EMTさんは、私より8歳年上)これからの生き方に、それこそ「見本となる高齢者の生き方」を学ばせて頂いた。それは、これからの「人生の意味」を知ることだと思います。「シンクロニシテイ」(意味ある偶然の出会い)です。その意義を感じ、EMTさんが参加されている別も集まりにも参加し、私の「人生の意味」を考える「ヒント」を頂いて来たような気がします。今回の投稿も、その一つの紹介だと思いますが、この会の会員の方々の生き方にも、私は「見本」があるような気がしています。(MYZ)
今年は、著名な医師や高齢の知識人、タレントさんなどによる、「高齢者の生き方についての本」が沢山出版されました。
80歳の壁とか70歳からの何とかとか…。
でも実際の個々人はどう感じておられるのか。
80歳代の会員の文章は大変参考になるのではないでしょうか。